自民党の改憲案がダメな理由【更新2681/09/17】

最近自民党内では憲法改正が議論されている。

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しかし、自民党内でも9条では複数草案が出て来ている。

今日は自民党改憲案のここがダメだと言う理由を書いていく。むしろ憲法改悪と思って頂きたい。

 

天皇条項はどう違うのか 

自民党改憲案は天皇条項についてこう書いてる

 

 

天皇国家元首なのは国際的に認知されてる。そもそもエンペラーがいるのは日本だけである。憲法では太上天皇つまり上皇は認められてない。天皇上皇どちらが国家元首か曖昧になる。今回、一代限りの譲位だったが

自民党天皇の譲位を否定してるのかは不明である。おそらく今後、徳仁天皇太上天皇即位と同時に秋篠宮親王文仁親王)の太上天皇即位つまり2人太上天皇即位が考えられる。これについては特例法で定めるであろう。

 天皇の国事行為は内閣の進言に基づくとある。大日本帝国憲法でさえ国務大臣が輔弼するとある。天皇機関説が取られ内閣全体の方針を基に天皇は国事行為をなされて来た。ところが自民党は不敬だから進言と書き換えてる。むしろ進言だと天皇を政治に介入させることさえ出来る。

 

天皇の地位は国民の総意に基づくとある。これだから旧宮家の復活が進まないのである。現に旧宮家系と今上天皇皇嗣殿下とは30親等も離れている。

70年も前に離脱して民間人と暮らしてる理由からなかなか国民の理解は得られない。

生まれた男系男子はみな臣民である。

 

国民の総意に基づくの項目を削除すべきだ。

 また、華族や貴族など特権階級の廃止とある。このことから旧摂家旧宮家皇籍復帰の足枷の場が出来ないことが考えられる。皇別摂家旧宮家は准皇族とでも定めて皇籍復帰することについては特例法で定めると書く。

 

新しく追加されたこととして、君が代と日の丸を尊重しなければならないとある。

 

憲法は国民ではなく国家権力を統制するものである。公務員全てが君が代を敬愛する義務がある。公立校の教諭は公務員だから君が代斉唱する義務がある。また教育基本法で定められてる。君が代を公立教諭が歌う義務があることは合憲判決が出ている。

私学はこれについては不明であり入学式や卒業式で歌う歌わないかまちまちである。

 ところが、自民党の案は国民も守らなければならないとある。

 

元号皇位継承のあった場合のみとある。これは支那の明と清王朝で導入された制度を真似てる。日本独自の制度ではない。

 むしろ災異改元や瑞祥改元を認めるべきであり国会で決めるなどと書いておく。

 

次に天皇の国会での詔勅の読み上げについて憲法違反だという政党がいるが、それは憲法を理解してない政党の問題。国民主権にそぐわないとか勘違いである。

 

戦争放棄を書いた9条

自民党自衛隊法の一部を憲法にくっつけている。

自衛隊の最高指揮官が内閣総理大臣であることは自衛隊法で定められてる。これは戦前の軍部の暴走にある反省であり政府の言うことを聞かない軍隊になってしまった。

そこで文官統制が取り入れられた。

二項の2などと訳の分からないものをつくって自衛隊明記する形にしてる。

自衛権の発動は内閣が行う。軍隊はこれを行使すると書いた方がマシである。

軍隊については国防軍だろうと自衛軍だろうと結局変わらない。

必要最低限の実力組織などとあやふやな言葉で政府は逃げてきた。なぜ、わざわざ違憲論争に終止符と言って改憲に踏み出すのか。

 

特別裁判所の設置

軍事裁判にしても同じ。公正中立を欠如したもので実際戦時中に裁判なしに断罪された人もいた。また軍人同士であることから身内での庇い合いが起こってしまう。下級裁判として行うことを明記してる。

 憲法裁判所の設置については無しである。現在、最高裁がなかなか違憲審査をしないことが問題視されてる。

特別裁判所では行政は終審を行わないとある。終審は最高裁判所もしくは高等裁判所が行うとされる。

 

総理大臣の権限の拡大

改憲案では内閣総理大臣の権限を強めている。

米国大統領のように総理大臣個人に行政権があるように改正することを自民党は検討している。総理の命令一つで軍を動かせるようになる。これは時によっては危険な場合もある。簡単に日本も紛争に参加できてしまう。

総理大臣が女系天皇賛成派なら当然その法案が通ってしまう。

 

国民も憲法守れ

憲法遵守について、天皇や摂政はじめ国会議員や地方議員など全ての公務員はこれを遵守とある。

 

自民党改憲案は天皇や摂政が抜け落ちてる。皇族とて一応は世襲制かつ終身制の公務員と解釈できる。

戦前の憲法ですら天皇も対象になってた。勅令で法律は改正できないと大日本帝国憲法に書かれている。

このままでは時と場合によっては天皇が政争に巻き込まれかねない。

 天皇はじめ全ての皇族や国会議員はじめ全ての公務員と改めるべきだ。

また国民も尊重しなければならないとある

立憲主義にそぐわないかたちである。

 

日本は立憲君主国家である。天皇はじめ皇族も税金を納めることになってる。ただし政治の舞台に出てこない。また皇族には皇族会議が例外として選挙権にある。

 

そして国民に憲法尊重とナンセンスな条文を書いている。憲法とは国家権力を統制するもので国民は統制の対象に非ず。

基本的人権の尊重は?

さらに人権についても97条を削除して11条と纏めている。さらに個人ではなく人として尊重されると奴隷制度を認めるかのような書き方である。犯すことの出来ない不断の権利から保障するとある。つまり、政府が線引きをしてくることさえありうる。

 財産権にしても保障するとある。これは戦時中に預金封鎖があったことから非常事態宣言が出されたらいつでも制限をかけることにもなりうる。

 

 緊急事態条項は?

緊急事態条項についても100日などと制限を書いている。事後承認という扱いになってる。これでは国民に説明責任を果たしてるかは不明確である。

それでも基本的人権は護られるとある。

緊急事態か誰が判断するのかは不明である。それどころか定足数が集まらず、議会を開かなかったらどうするのか。

また非常事態を逆手に取り権力を拡大する人が出てくる。ヒトラーは国会議事堂放火事件を理由に、フランクリンルーズベルトは日本を挑発して日米戦争に引き摺り込み権力の拡大を謀った。

そもそも非常事態が収束したかについて誰が判断するのか不明である。

現に治験中の予防接種を強制出来てしまうということも懸念される。公共の秩序だと言って出来てしまうのではないかという意見もある。米国ではバイデンが大統領令で接種を義務化しようとしてるものの、共和党州知事が反対してる。憲法で定めた人権に反するというものだ。最高裁違憲という説が濃厚である。

フランス政府もワクチンパスポートを検討していて、飲食店などで証明して入店を義務づけようとしてる。これに反対するデモが起こってる。

 

ただでさえ解釈を捻じ曲げて基本的人権がほぼないに等しいのに緊急権を行使するのはどうかと筆者は見てる。

 

 

公共の福祉と秩序

 

自民党草案は公共の福祉ではなく公益と秩序とある。これは政府の都合のわるい組織と見做されたら活動制約させられる。現に政府は緊急事態宣言を出しては解除の繰り返しである。さらに飲食店に対して時短営業を求めるなど経済活動の自由を妨げてるように見られる。改憲案には最大の幸福ではなく最大限とある。最大限ということは制限をかけられる。

 

環境権を書くのは改悪

環境権について新しく書き出された。これはオリジナルである。

そんなことを認めたら原発放射能をばら撒くから危険だとか

日本の火力発電所は世界一厳しい安全基準だが、火力発電所は事故を起こしたら有害だとか言い出すに決まってる。

工場を簡単に撤去できてしまう為失業者は増えるし経済は衰退する。

 

家族制度は社会単位

これは戦前の憲法にもない項目である。家族は互いに助け合わなければならないとある。そもそも家族制度をなぜ法律ではなく憲法に書く必要があるのか。

 

自民党改憲案は立憲主義を理解してない素人の作文なのではと疑問を持ってる。 

 

筆者は護憲的改憲または創憲、基本原則や基本的人権を護りつつ改憲を訴えて来た。

基本的人権の尊重

国民主権

平和主義

の三原則が護憲要素とされる。

主要先進国のうち憲法を改正してきたのは政治の仕組みや議会と政府の権限であって基本的人権や戦う民主主義などは変わってない。

 

そもそも改憲を訴える人は改憲するために改憲といい、改憲したらどうなるかも考えてない人が多いのではと考えてる。

勿論、変えるべき所は変える。

 

自衛隊違憲論だからと言って明記して終わりではなく国民の生命財産を護ることを考えなければならない。